ブログを書かねばと義務感に駆られて、とりあえず今年の上半期を振り返ってみる事にします。
昨年末に、以下のような投稿をしたので、こちらと見比べながら書いていきます。
2025年の振り返りと2026年の抱負 – もばらぶエンジニアブログ
年始時点での「2026年にやりたい事」について
WP RAG と RAG Chat for Amazon Bedrock の改善
これは殆どやりませんでした。理由としては技術的な内容と言うよりは、
- 後述の新規サービスに専念したい
- 対象として考えていた個人・中小企業だと小規模なサイトが多く、全文検索で事足りる場合も多い
といった理由です。
新規サービスのリリース
こちらにはかなり時間を割きました。5月頃にクローズβとして一応サイトは公開したのですが、その後も色々直していたりして、(多分)来週頃にようやくβ版として一般公開する予定です。
内容としてはマルチテナントの MCP ゲートウェイです。
- MCP クライアントに単一のエンドポイントを提供、API キーで認証
- MCP サーバーの権限管理、実行ログなどを一元管理
- stdio 形式の MCP サーバーは、隔離された環境で実行
といった内容です。
潤沢な予算は無いけど、管理をそれなりにしっかり行いたい企業を対象にしてます。
春先の時点で、個人利用では問題無い状態にはなっていたのですが、監査ログとか API キーの管理とかその辺を作っているうちに時間がかかってしまいました。
現時点でも(登録人数の制限は設けていますが)ユーザー登録、サービス利用は出来るので、興味のある方は登録して試してみてください。
Bloque – All Your MCPs, Centrally Managed.
技術的なところは別途書こうと思います。
フロントエンドを「完全に理解する」
これは上半期に概ね達成できたと思います。上述の Bloque のウェブ部分は Next.js ですし、関わっていた受託開発等のプロジェクトが2つとも React SPA のものなので、以下のような事が身につきました。
- npm, pnpm 等の使い方
- Next.js の基本的な仕組み、client/server の境界、hydration とかの理解
- React の基本的な仕組み、
useState,useEffect等の hook とかの理解
1は、もちろん以前から基本的な使い方は知っていたのですが、開発中のトラブルシューティングなどを経て、大分理解が進んだと思います。
2は書いた通りです。それにより、エラーメッセージとかを見て、何が原因なのかが何となく分かるようになってきました。
3も同様ですが、AI が書いたコードを見て、こういう処理の時にはこういう書き方をするんだ、というのが少しづつ分かるようになってきました。
一方、今でも出来ない事としては、一から React なり Next.js のプログラムを書く事です。読んで理解してトラブルシューティングもして、簡単な修正くらいであれば自分でも出来るようになりましたが、一から書くのはまだ無理です。
それ以外にやった事
自分が関わるプロジェクトは全てドキュメント駆動にした
Bloque と、それ以外の2つのプロジェクトはドキュメント駆動にしました。(ドキュメント駆動とスペック駆動は同じものだと思ってたのですが、スペック駆動の方がもう少し厳密なやり方のようです。興味のある方は AI に聞くなりしてください。)
流れとしてはこんな感じです。これがベストだとは思いませんが、それなりに上手く回っています。
設計フェーズ
- 私が要件、方針などをドキュメント(Markdown)にする
- AI がそれを元に、設計・サブタスクに分割し、サブタスク毎に実装のためのドキュメント・仕様を作成
- 私と別の AI がレビューし(レビュー結果は Markdown で保存)、AI が2のドキュメントを修正する
実装フェーズ
- 設計ドキュメントが承認されたら AI が実装する
- 私が2のドキュメントを1つ1つ見ながらコードの修正点を確認し、私自身がコードをコミットする(全部の修正を一括ではなく、モジュール単位等)
- 実装に問題があったり、私自身が実施する E2E テストで問題が発生した場合は修正を指示
- 一通り問題がなくなったら、push し PR を作成
レビュー
- AI が PR をレビュー
- レビューコメントに対して、対応が必要なものを私が選択して AI に修正を指示
- 修正内容を確認して私がコミット
良い点としては
- 過去にどのような経緯で設計・実装したかがほぼ全て残る
- 小さいタスクはドキュメント作成とかは省略している
- レビュー結果もファイルで保存している
- 実装をある程度理解しながらコミットしていくので、問題が起きたときに原因の究明が早い
- AI に実装させたものを無条件でコミットして進めるより実装には少し時間はかかる
ドキュメントが全て残るメリットは色々ありますが
- AI が新たな機能を設計するときに過去のドキュメントを参照しながら進めるので、プロジェクトの方向性を無視したものになりにくい
- 機能追加だけでなくドキュメント作成やマーケティングプランの作成なども、その設計ドキュメントを読み込ませる事で簡単に作れる
前述の Bloque では(まだ未完成ですが)以下のドキュメントサイトがあります。これも、過去に作った設計文書の Markdown を渡して、これについてドキュメントページを作って、という感じで指示するだけで作成できます。
What is Bloque | Bloque Documentation
業務の自動化を徐々に行っているが、道半ば
せっかく MCP 関連のサービスを開発しているので、MCP サーバーを上手く活用して業務の自動化を徐々に進めています。とは言えここは順風満帆には行っていません。理由としては世の中で提供されている MCP サーバーが少ないか、あるいはあってもイマイチな事が多いからです。
- そもそも MCP サーバーがない
- MCP サーバーがあっても機能が足りない
- API をラップしているだけのものが多いが、そもそも API としても機能が不十分
- MCP 自体の制約、例えば以下のようなもの
具体例を出すか迷ったんですが出してしまうと、freee の MCP サーバーはもっと機能があれば色々自動化できるのですが、出来ない事が多くてイライラします。例えば
- 見積書、請求書の PDF をダウンロードするエンドポイント・ツールが無い
- freee の画面上では見積書と請求書は関連付けられているが、API で返される値にはそのような情報は含まれない
等です。自社製品外で色々やられるのを嫌って、意図的にそうした情報を API・MCP ツールに公開していないのかもしれませんが。
(もし認識誤りがあれば教えてもらえればと思います。)
LinkedIn の投稿を AI 生成にしてみたが、結局元に戻した
LinkedIn の投稿を一部 AI 生成にさせてみました。もちろん、所謂「ペルソナエンジニアリング」的な事はやったのですが、
- 細かい部分で文章が自分っぽくない
- 思ったより時間短縮にならない
- (因果関係は不明だが)imp がかなり下がった
ということで、手入力+AI による簡単なレビューという以前のフローに戻しました。
戻してから1つしか投稿していませんが、imp は戻りました。
もちろん、世の中には AI 生成の投稿でうまく業務を回せている人もいます。X を見ていると AI のお役立ち情報を頻繁に発信して多くのフォロワーがいるアカウントがありますが、恐らく AI による投稿でしょう。英語のポストやブログ記事で話題になっているものとかを日本語に訳してちょっとしたコメントを入れる、みたいなものです。
こうした情報系の文章作成には AI は向いていると思いますが、自分の意見を伝えるような投稿で AI を使うのはまだまだ難しいです。(かなり作り込んで上手くいっていると言っている人もいますが、本当だったとしても限られた人だけでしょう。)
2026年下期にやりたい事
AI エージェントに全自動で何かやらせたい
製品開発とかは自分が介在しないと上手くいくイメージは無いですが、前述の情報系 X アカウントとかそういうのは AI による全自動、あるいは少しだけ介在する HITL で出来そうな気がするので、個人的なプロジェクトで試してみたいです。
Hermes Agent をセットアップまではしたのですが、忙しくて殆ど触れていないので、Bloque のβリリースが終わったら少し時間を取って遊んでみようと思います。
社内システムを作る
会社ブログの方に書いたのですが、AI により社内アプリが簡単に作れる時代になりました。バックオフィス関連で非効率な作業が結構あるので、経理等のコア機能を除いては自前で作ってみようかなと思ってます。
まずは1つ作ろうと思い、名前は聞いたことがあるものの触ったことがなかった Supabase のアカウントを作りました。認証の機能もあるようなので色々試してみます。
Supabase | The Postgres Development Platform
業務効率化の専門家になる
社内システム開発もそうですし、API・MCP を使ったシステム連携を通じて社内業務を効率化し、そこで溜まったノウハウをお客様向けの仕事にも活かしていきたいです。
前述の通り、MCP にはまだまだ課題もありますが、今後は徐々に改善されて浸透していくはずです。それに伴って Bloque を広めていければ良いと考えています。
まとめ
振り返ってみるとそれなりに色々やったかなと思います。どの項目も AI に大きな影響を受けているのは2026年っぽいです。
今はやりたい事が色々あるので、以前より仕事中にダラダラしなくなった気がします。下期もそれを継続していきたいです。